イタリアのプロサッカーリーグ1部であるセリエAは、イタリアサッカーの本質を表すような戦術を採用するクラブが多いことが特徴です。
イタリアといえばカテナチオと呼ばれる堅守を軸に戦術を組み立てる守備的なサッカーで何度も世界の頂点に立ってきました。その伝統を受け継ぎ、セリエAのクラブも守備を重視している場合が多いのです。
一方で、近年のイタリア代表はカテナチオを軸とした守備的なスタイルから流行に合わせたポゼッションを重視する攻撃的なスタイルへの変貌を遂げようとしています。その流れは上位クラブに浸透していて、下位クラブは守備的なスタイルで闘い、上位クラブは攻撃的なスタイルで闘うという構図になっています。
そのため、セリエAの試合はボール保持率が一方的になることが少なくありません。特に下位クラブが上位クラブの本拠地に乗り込む試合では、下位クラブは徹底してゴール前を固める戦術をとります。
守備的戦術なので、サッカーに詳しくないファンからはつまらない試合だと揶揄されることもありますが、実は守備を固めるための戦術や選手個人の能力の高さは世界随一で、そのことを理解できるサッカーの玄人であればあるほど楽しめるリーグでもあるのです。
ネックなのは、ユベントスだけが飛びぬけて強く、優勝争いがプレミアリーグやリーガエスパニョーラのように盛り上がらないことでしょう。
イタリアサッカー界は優秀な監督を多数輩出していて、世界レベルの戦術で指揮しています。